この記事の要約
- 事象:OBSでの配信開始直後、ビットレートが急激に低下し0kbps(切断)となる。
- 原因:PCの「Killer Intelligence Center」が、OBSの通信を不要なものとして遮断していた。
- 解決策:設定ソフトで「Prioritization Engine(優先順位付けエンジン)」をOFFにする。
1. 環境と事象の概要
ゲーミングマザーボードを使用したPCにおいて、回線速度は正常であるにも関わらず、OBS Studioによる配信のみが不安定になる事象が発生。
環境
- OS:Windows 11
- マザーボード:MSI MPG Z890 EDGE TI WIFI (MS-7E19)
- ネットワーク:Intel Killer E3100G 2.5Gbps LAN
- 配信ソフト:OBS Studio
- 回線:光回線(有線LAN接続)
発生したトラブル
配信開始直後は設定値通り(例: 6000kbps)のビットレートが出るが、数秒経過すると突如として0kbpsまで低下し、配信が切断される。再接続を試みても同様の挙動を繰り返す。
2. 原因:Killer Intelligence Centerによるパケット制御
調査の結果、Intel(旧Rivet Networks)製ネットワークコントローラーの制御ユーティリティである「Killer Intelligence Center」の設定が影響していることが判明した。
技術的背景
KillerシリーズのNICは、ゲームの通信ラグを減らすためにパケットに優先順位をつけている。Intel公式ドキュメント[1]によると、デフォルトの優先順位は以下の通りである。
- Priority 1:Games(ゲーム通信)
- Priority 2:Real Time Chat(ボイスチャット等)
- Priority 3:Browsers and Streaming Video(動画視聴など)
原因の特定
今回のケースでは、OBSのアップロード通信が「Priority 1」として認識されず、バックグラウンド通信として処理された可能性が高い。
その結果、機能の一つである「Prioritization Engine(優先順位付けエンジン)」が働き、ゲーム側の帯域を確保するためにOBS側の通信を遮断(スロットリング)したことで0kbpsという現象が発生した。
3. 解決手順
Killer Intelligence Centerの自動制御を無効化することで、即座に改善した。手順は以下の通り。
- タスクトレイまたはスタートメニューから「Killer Intelligence Center」を起動する。
- ダッシュボード画面にある「Prioritization Engine(優先順位付けエンジン)」のトグルスイッチをOFF(無効)にする。
- 念のため「Auto Bandwidth(自動帯域幅)」もOFFに設定する。
設定変更後、OBSの配信テストを行い、ビットレートが安定することを確認して完了。
4. 補足・参考文献
MSI等のマザーボードベンダーやIntelの公式サポートにおいても、通信速度トラブルの対処として当該機能の無効化が案内されている[2]。
ゲーミングPCを使用していて特定の通信だけが不安定な場合は、ルーターや回線業者を疑う前に、PC内部の制御ソフトを確認することを推奨する。
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